疲れると一言で言っても、いろんな形の疲労があります。
山に登ってからだが疲れると行った様な場合では、筋肉の疲労が思い浮かぶかも知れませんね。
食べ過ぎや飲み過ぎで内臓が疲れるといった場合も有るでしょう。
脳も疲労します。
難しい本を読んでいたら、あくびが出たり眠くなったり。細かい作業をしていたらイライラしたり、集中力が無くなったり。
それらは中枢性の疲労です。
脳は、神経細胞同士で伝達物質を出したり受け取ったりしながら電位変化で情報を伝達していきます。伝達物質の放出、回収、合成。伝達物質を受け取った細胞の中でイオンの交換が起きて電位変化を起こし、細胞の孔を調節してポンプの様にイオンを運ぶ。それらはすべてエネルギーを必要としていて、酸素と糖が必要になる物理的な働きなのです。そういった働きの後には老廃物も出ます。
それらが中枢性の疲労を起こす原因と考えられます。
休息は、脳の神経細胞外成分の調整をして疲労を取る働きがあります。
運動学習のためにも、休息は必要なんですね。
疲労は蓄積しやすいですよね。
通常、毎日働いていたらゴロゴロしたりしたくなります。これは、疲労を回復しようとする脳の無意識下の要求だと考えられます。
脳損傷では、神経細胞とともに、神経細胞外環境も壊れているわけですから、疲労しやすいのです。
さらに、神経外細胞成分の状況が良い方が、神経の可塑性もおきやすいと言えますよね。
休息は大切なんですよ。

この文章を読んで、何で病院が365日リハビリを推奨しているのかという疑問をお持ちの方もおられるかも知れません。365日リハビリテーションは、脳の可塑性を利用するための物では無いという事は言えそうです。まぁ、早くADLを自立させて退院してもらって、医療費を抑制するためのシステムなのでは無いかと思うのです。
それも大切ではあるかとは思います。