最初出た時は、凄く便利な物ができたなぁという印象でした。
だけど、ボトッくをを受けた患者さんを診ているウチに色々感じることもあったんですね。
ご存じの方も多いとは思いますが、ボトックスというのはボツリヌス毒素によって、α運動ニューロンの働きを筋肉に伝えない様にするものです。
ボツリヌス菌を入れるのでは無いので、安全なのではあります。ボツリヌス菌が入ると人体内でボツリヌス毒素をつくりますので、危険なのですが、ボツリヌス毒素を量を決めて入れるので、その毒素が分解されればそれで効果は終わりなのです。

ところで、脳損傷による筋緊張異常は"痙性"と呼ばれる物です。
これは、α運動ニューロンの生涯では無くて、γ運動ニューロンの影響が強いと考えられています。
つまり、ボトックスは痙性そのものには働きかけるお薬では無いのです。

と言うことになるとどうなるかというとですね。
筋緊張はα運動ニューロンの働きが落ちることで低下するのです。
その際に確り、感覚経験を入れて、運動出力パターンが変化しなければ、結局以前の状態に戻るという事になります。
つまり、計画的なリハビリが必用なのではあります。
それも上手くいったり上手くいかなかったり。
なぜ上手くいかない場合があるのかというと、ひとつには、思ったほど筋緊張が落ちない場合〜筋の短縮などの問題が大きかった場合と、そもそも、α運動ニューロンの接続が破壊されますので、運動出力経験が上手くいかなくなっている様な場合ですね。
筋緊張はおとせば良いという物でも無いのですね。

ボトックスを受ける際は、医師に相談するだけでは無くて、ボトックスごのリハビリテーションの経験が豊富なセラピストに相談をされておくのも忘れない様にされた方が良いと思いますよ。