【テレビシリーズ「相棒」とは?】
「相棒」は2000年に、土曜ワイド劇場(2時間ドラマ)として制作されたのを皮切りに、毎年10月から半年間、テレビ朝日系列で1時間の連続ドラマとして放映されている。現在、シーズン6まで、100本を超える話数が制作されている。
物語の舞台となるのは、警視庁の窓際部署・特命係。
切れすぎる頭脳ゆえに上層部から嫌われてしまった、変わり者のキャリア警部・杉下右京(水谷豊)と、犯人の人質になるという大失態を犯したため捜査一課から左遷された熱血なお人よし刑事・亀山薫(寺脇康文)が、その頭脳と機動力を活かして、数々の難事件を解決していく。

【「相棒」の魅力】
1.キャラクターの魅力
有能すぎて忌避される男=杉下右京、熱血すぎて突っ走る男=亀山薫という正反対の主役コンビの絶妙さ。脇役も光っている。
2.多様性のあるストーリー
社会派からコメディータッチのもの、ホラー風味のサスペンスから本格ミステリー、社会正義を追求したほろ苦いものまで多種多様。

【劇場版のストーリー】
事件の発端は、巨大なテレビ塔で元人気キャスターの死体が発見されたこと。
現場には謎の記号「f6」が残されていた―。
謎の記号が残された不可解な連続殺人事件。正体不明の犯人にチェスの勝負を挑まれた右京は、やがて犯人の狙いが3万人のランナーと15万人の観客を集める東京ビッグシティマラソンだと知る。真犯人の狙いとは?
果たして、特命係は凶悪な犯行を阻止することができるのか!?

ただの刑事ものではなく、現在の日本社会が抱える問題に真正面から切り込んだ内容である。真犯人が語る犯行の動機には、深く考えさせられるものがある。
普段のニュースの中で疑問に思うことがあっても、何となく目をそむけて考えないようにしていたこと、そのモヤモヤを目の前に突きつけられた様な気がする。ラストの犯人と右京とのやりとりには、グサグサと痛いところを突かれた。
娯楽のなかにも、観客への真剣な問いかけを持つ作品である。
text by...  向日葵P

2008/05/01