脳も疲れる?「中枢性疲労」というお話
セラピースペース ながしま
「疲れた〜」と感じるとき、私たちはふつう「体が疲れた」と思いがちですよね。けれど、実は疲れには 体の疲労 と 脳の疲労(中枢性疲労) があるんです。
体の疲労は筋肉の使いすぎなどで起こりますが、脳の疲労はちょっとイメージしづらいかもしれません。
脳が疲れるとどうなる?
脳が疲れてしまったときには、こんなサインが出ることがあります。
集中できなくなる、注意が散漫になる
眠くてあくびが出る
イライラして怒りっぽくなる
体が重く感じて動きにくい
「何かをしたい」という気持ちが湧きにくい
おしゃべりが増える、逆に口数が減る
音や光などに過敏になる、または反応が鈍くなる
要するに、環境に対してうまく対応できなくなってしまうのが脳の疲れの特徴です。
なぜ脳は疲れるの?
理由は大きく2つあると考えています。
① エネルギー不足
脳は体重の2%ほどの重さしかありませんが、1日に使うエネルギーは全体の20〜25%。とてもエネルギーを食う臓器なんです。長時間集中していると、エネルギーや酸素の供給が追いつかなくなり、注意力が落ちてしまいます。大人の集中力はおおよそ50分程度といわれるのも、ここに関係しているのかもしれません。
② 老廃物の処理不足
脳が働くと、神経の活動によって「老廃物」も出ます。これを掃除しているのが グリア細胞(特にアストロサイト)。脳のゴミ掃除システム=「グリンファティックシステム」です。これがうまく働かないと、情報伝達がスムーズにできず疲れやすくなると考えられます。
リハビリの現場で見える「脳の疲れ」
私が病院で働いていたとき、患者さんの動きが「さっきまで出来ていたのに急にできなくなる」ことがありました。例えば、足のつま先を上げられていたのに急に動かなくなったり、手が動いたのにすぐ止まってしまったり。これも脳の疲れ=中枢性疲労の一つだと思います。
現在の自費リハビリの現場でも、中枢性疲労はよく見られます。特に細かい動きや、新しい動きを繰り返して練習していると、30分も経たないうちに眠気やイライラ、集中の途切れなどが目立ってくることもあります。
改善する可能性はある?
私は「改善は十分にあり得る」と思っています。
脳の血管は必要に応じて太くなったり新しく作られたりしますし、アストロサイトも再生の可能性があります。つまり、疲れやすい動きを繰り返し行うことで、その部分への血流や代謝環境が整っていくと考えられます。
だからこそ、片麻痺や姿勢障害と同じように、リハビリでは「中枢性疲労」という症状も大切に扱う必要があると思っています。
ちょっと気になること
一つ疑問があります。
病院では「超早期リハビリ」「365日リハビリ」といった流れが当たり前になっていますが、脳が損傷した直後は「脳が自分で恒常性を保とうとする大切な時間」なのではないでしょうか。
風邪をひいたときに無理せず休むように、脳にとっても休ませる時間が必要なはずです。
それを考えずに「気合いでリハビリ!」というのは、本当に科学的といえるのかな?
なぁぜなぁぜ?? (○´・c_・`○)
まとめ
疲れには「体の疲れ」と「脳の疲れ」がある
脳の疲れ(中枢性疲労)は、エネルギー不足と老廃物処理不足が関係
集中力の低下、イライラ、眠気、動きにくさなどの症状として現れる
リハビリ現場でもよく見られ、課題の工夫や休憩が大切
改善の可能性はあり、リハビリの重要な視点になる
👉 休んでも取れない疲れ、ただの「体の疲れ」ではなく 脳の疲れ かもしれません。
ご自身やご家族のリハビリの場で気になることがあれば、ぜひ専門家に相談してみてください。
「セラピースペースながしま」は、脳梗塞、脳出血、脳性小児麻痺などの中枢神経疾患のリハビリを最も得意としている自費リハビリ施設です。だけど、それ以外でも身体の動きでお困りの方のご相談にも応じさせていただいております。
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