学会発表
セラピースペース ながしま
とある施設のスタッフが学会発表をされるということで、いろいろお話をさせていただいているのです。
なぜ、筋力強化ではなくて、協調性と言われるものに対してリハビリテーションを行うのかという疑問にお答えする様に書いたメールです。
リハビリのスタッフではないので、わかりやすく書いたつもりではあるのですが、どうでしょう???
(^ ^)
筋力というのは、わかりやすい指標の様に見えますが、実はよくわからないことも多いのです。
筋肉の出力は、筋繊維の収縮によって得ることができるのですが、筋繊維は筋内膜に包まれていて、インテグリンという接着因子で内膜に接続されています。結果的に筋繊維の収縮は筋内膜の張力を発生させることになります。筋内膜は筋周膜、筋外膜と接続されているので、腱から骨にかけて張力を伝達しているのは膜組織(Fascia)になります。
ここで大切になってくるのは、それぞれの膜に生じる摩擦がどの様になっているかという構造的な特徴です。
この部分で問題がある場合は、筋繊維の収縮はうまく伝達されなくなることになります。
膜(Fasicia)を構成する原繊維の主成分はコラーゲン組織であり、細胞外環境によって、その動きが変化することになります。したがって、局所循環の状態は筋力に影響していると言えます。
また、筋の聴力に影響する因子として、筋紡錘の感度なども影響しますが、筋紡錘は筋周膜に存在していますので、筋周膜の粘弾性によって感度が影響されることも予測されます。
筋繊維自体も、アクチンとミオシンの動き、特にそれらがリリースされる段階でATP(エネルギー)が必要で、循環障害によるエネルギーの枯渇は筋繊維の伸長に制限を加えることとなって、結果的に収縮しにくい筋繊維となり、筋出力の低下を伴います。
筋出力というのは運動として表出されるものではありますが、運動については少なくとも2系統の機能が必要であることが知られています。
それは、運動制御と、姿勢制御です。
姿勢が運動出力に適した状況になることが運動を効率よく行うために大切です。
例えば、お腹に力が入らない状態であれば、骨盤帯は安定性が出ません。その状態で立って足に力を入れて支えようとしても、足に力を入れたら骨盤が足の力で持ち上がってしまったり傾いてしまったりするので、効率よく体を持ち上げとくことができません。
運動に先立って、あるいは運動と同時進行に体に起こる反応を予測的姿勢制御機構(APA)と呼びます。
APAは神経生理学的にある程度わかっている部分があって、脳幹にある、橋・延髄から下降する網様体脊髄路と言われる回路が、皮質(例えば運動野)の出力に先行して働くことによってAPAが起きるとされています。
単純に言えば、APAが先行、あるいは運動と同時に起こることで運動出力は効率よく起きてくるのだということになります。
これらの脳の働きは、身体から入力される感覚情報をもとに情報処理されて出力につながると考えられます。
つまり、動きやすいという状態は、身体の状況や外環境と身体の位置関係などの情報が脳に入力され、そしてそれらに対する姿勢制御出力と運動出力が「協調されて」いることによって効率よく四肢の動きなどが外環境に伝わっている状態なのです。
したがって、動きやすい体を作っていくためには、これらの感覚がきちんと入力される様に軟部組織の状態を整えるストレッチのようなアプローチとともに感覚を入力し、それに対してさまざまな出力が協調を持って起きてくる様にする〜協調性訓練が必要なのだろうと結論づけることができると考えるのです。
いかが???
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