脳幹の話 その3
セラピースペース ながしま

脳幹の伝達物質
おはようございます。
その1では、呼吸時の重心変動が起きることと、それでもヒトは転んでいないと言うことを書きました。
その2では、上行性の脳幹網様体は覚醒に働き、下降性の脳幹網様体は姿勢制御に働くことを書きました。
では、その調整はどのように行われているのでしょうかと言うことを書きます。
脳幹には様々な核があります。それぞれの核は神経伝達物質を放出しています。神経伝達物質は大きく分けてコリン系とモノアミン系に分類できます。
コリン系:アセチルコリンとモノアミン系の中でセロトニンが覚醒と姿勢制御に重要な働きをしています。
これらの濃度分布状態がコリン系が優位になると、下降性網様体路は皮質から降りてきた運動情報を手足に伝えにくくします。(これを抑制と言います)。逆に、モノアミン系が優位になると運動情報を手足に伝えやすくなります。睡眠中はコリン系が優位です。睡眠中も脳は活動をしていますので、それらの情報を手足に下ろさないことで寝ていることが出来るのです。このとき、モノアミン系が優位になると夢遊病とか、寝ながら歩いたりするような状況になるのですね。
モノアミンが優位だと、先ほど書いたように手足に運動情報を送ることが出来ます。特に重要なのは無意識下で起こる体幹の機能に関わっているのです。その1で書いたように呼吸時には重心移動が起きますよね。それでもヒトは転びません。これは、例えば息を吸うときに重心が後ろに下がることを腹部の筋群が働いてあらかじめ重心を僅かに前方に運ぶ準備をしているからです。これを先行性姿勢制御と言います。運動に伴う重心移動に先立って姿勢を安定させる信号を下ろしているのですね。この制御が無くなると転びます。
で、このモノアミン系が前脳基底部に投射(情報伝達)されると、前脳基底部はアセチルコリンを前脳基底部から皮質の後ろの方に広範に投射されます。すると脳の表層の神経細胞は活性化して覚醒状態が上がり、認知や運動能力が上がるという状態にまります。
脳幹網様体の活動に適した神経伝達物質濃度分布のコリン系、モノアミン系が視床というところに向かうと視床は広範に感覚情報などを皮質に届けることが可能となって覚醒が上がります。覚醒には主にこの二系統があるのですが、皮質の活動は脳幹に向かいますので、さらに脳幹の活動が促され覚醒は持続していくこととなります。
ま、簡単に言えば、その2で書いた脳幹の機能は脳幹の中にある核からでる神経伝達物質(コリン系/モノアミン系)で調節されていると言うことですね。ついでですが、このモノアミン系の伝達物質は自律神経系の調整もしています。
その4に続く
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