フルオーダーの婚約指輪 part14

ダイヤモンドの座にもう一手間かけておきます。
座の底の面は指の丸みに合わせて凹ませてありますが、その中央に穴を開けます。

以前の指輪のデザインはダイヤモンドを高く掲げるようにしたものが多く、
そのために普段の生活に使うには邪魔になってしまっていました。
特に爪で留めるタイプは引っかかりやすいとの声をよくききました。

当店では婚約指輪といえどもできるだけ気軽に使っていただきたいので
できるだけ高さを抑えるように工夫しています。
座の底の穴もそのひとつです。
0.5ミリの厚さの底板の穴にはダイヤモンドの先端（キューレット）が入ります。
しかし、底から出てしまうと指に当たってしまいます。
この底板の厚さの中にキューレットを納めるように座の高さを調整しているのです。
これによって指輪の厚さ（高さ）はほぼダイヤモンドの高さと同じ。
これ以上ないほど低く納めるための工夫です。

また、底の穴はダイヤモンドを洗浄しやすくしてくれます。
ダイヤモンドは皮脂などの油汚れが付きやすいので輝きが落ちてしまいます。
中性洗剤で洗えば落ちますが、底に穴が開けてあることで全体を綺麗にして輝きを取り戻すことができるのです。


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