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山陰スピリチュアル紀行

姫神シンポジウム 史跡めぐりツアー

出雲弥生の森博物館&西谷古墳群、御井神社、荒神谷博物館&史跡公園、鰐淵寺、今市大念寺古墳

10月は、姫神シンポジウムの初日に行われた「史跡巡りツアー」に同行させていただきました。
暑いくらいの天気にも恵まれ、社☆ガール5名は4つの女性団体の方々と一緒に、市文化財課の方の案内付きで出雲市内をマイクロバスで巡りました。

出雲弥生の森博物館と西谷墳墓群

まずは集合場所である弥生の森博物館の館内を案内して頂き、それから西谷墳墓群の見学です。館内は渡邊館長さんが案内して下さいました。
隣にある西谷墳墓群で発掘された西谷3号墓について、出土品や模型でとても分かりやすく展示がされています。
模型は細部に至るまで非常にこだわって作られていて、「ぜひその辺りも注目して見ていただきたい!」とのお話でしたが、本当に動きや表情が豊か(#^.^#)
当時行われていたと考えられる儀式の様子が分かりやすく再現されていました。
出土品からは地元の土器だけでなく、岡山南部のものや、地元の土で作られた北陸の土器などがあったことから、「県外から土器を運んで儀式に参加」したり、「古里の土器を地元の土で作って儀式に参加」したりと、様々な地域から人々が参列したことを物語っており、それくらい偉大な王であったことが窺えるというお話でした。
他にも、高価な中国産の水銀朱が棺の底に大量に敷き詰められていたり、ローマ帝国で作られたと思われるたくさんのガラス玉や、朝鮮半島で作られたと思われる鉄剣などもあり、想像を超える壮大な交流が行われていたと考えられるそうです。
そんな昔から海外と交流があったなんて! とびっくりでした。


その後実際に西谷墳墓群へ見学に行くと、「先ほど見た儀式がここで行われていたんだなぁ..」とイメージしやすかったです。
3号墓の前で
3号墓の前で
この四隅突出型(よすみとっしゅつがた)の古墳は弥生時代に山陰を中心に流行したお墓だそうで、全国で約100基発見されているそうです。ここ西谷の丘には、その中の大きさトップ5の内の4つがあるそうです! 凄いですよね!
(↑)この2号墓には復元された「よすみ(四隅)」があり、中に入ると「女王が埋葬されていた様子」をとてもリアルに、面白い仕掛けで見ることが出来ます(#^.^#) 
まだ見たことない方は是非行って見て下さい♪ 見どころ満載で、もう少しゆっくり見てみたい気持ちになりました☆
【所在地】島根県出雲市大津町2760

御井神社

次に御井神社へ。 参拝し宮司さんのお話を聞きました。
社☆ガールでも何度かお邪魔させて頂いていますが、御井神社は安産や育児の神様として有名です。出雲大社の遷宮あたりからは県外から安産祈願に訪れる方が増えたとのことです!
宮司さんのお話では、八神姫は「大国主命と結婚いたします」と自らお相手を選ばれた、とても現代的な姫だったのではとのことです。
確かに、女性が自分の意思で相手を選ぶことが出来た時代(?)ではないだろうと..
そう考えると、自分の意思で選んだ相手と結婚して妊娠もしたのに、結局一緒に暮らすことが出来ずにこの地で出産し、健やかに成長される様子を見届けてからお子を木の股に預けて帰られるときの気持ちってどんなだったのだろう.. と想像してみたり。
気持ちが強くないと出来ないなぁ、なんて考えてしまいました(^.^)
子どもを抱く八神姫
子どもを抱く八神姫
狛犬も子ども連れ♪
狛犬も子ども連れ♪
産湯などに使われた3つの井戸も見に行きました。この井戸は日本最古の井戸で、宮中にも御分霊して祭られているそうです。今でも水は絶えることなく湧いているのが凄いですよね!
そして現在の神社の目の前の辺りでは、九本柱の建物跡が見つかっているそうです。以前はそこに神殿があったのではと言われているそうです。
【所在地】島根県出雲市斐川町直江2518

荒神谷博物館・史跡公園

荒神谷史跡公園へ移動し、昼食タイム♪ 広々とした休憩所でお弁当をいただきました!
雑穀入りご飯や、焼き魚、和え物、フルーツ、デザートと、女性に嬉しいバランスの良い内容で、とっても美味しかったです♪
しかも、荒神谷産の「蓮の葉茶」までいただきました! これまた女性に嬉しいデトックス効果があるとか! 良い香りで飲みやすいお茶でした♪ 博物館のお土産売り場で販売されていましたよ(^.^)

 
お腹も満たされ、荒神谷遺跡の方へ移動。 
発掘された現場
発掘された現場
ボランティアガイドの方が案内して下さいました。ここは銅剣や銅鐸、銅矛がたくさん発掘されたことで有名ですよね! 2000年ハスも有名で、わたしはハスを見に何度か訪れたことはありますが、遺跡のところに行くのはずいぶん久しぶりでした。

ガイドの方の説明の視点がとても興味深かったです。
何故ここ荒神谷にこのように沢山の銅剣や銅鐸が埋められていたのか.. ここに「隠した」という説と「捨てた」という説がありますが、ガイドさんは「隠すために埋めた」のではないかと。出雲で何か大きな争い事が起こり、ここに隠されたのでは、というお話でした。
また、銅矛の形が(武器として使うには)不自然な点もあるため、儀式やお祭りなどで使うために作られたもので、使った後ここに収めていたのではないかという見方もあるそうです。
銅剣のレプリカ 結構重いです(^^ゞ
銅剣のレプリカ 結構重いです(^^ゞ
当時の人々が、どのような意図で(どのような想いで)ここに埋めたのか...考えるとなかなか興味深く、面白いなぁと感じました。
ん、ロマンですねぇ(#^.^#)
【所在地】島根県出雲市斐川町神庭873-8

鰐淵寺

次に鰐淵寺へ。
この日は普段は車では行けない厳王院跡まで、マイクロバスで上がっていただきました。スレスレの狭い道をプロの運転技術で上手に運転して連れて行っていただけました。
思わず拍手が沸き起こっていました(#^.^#) 本当に感謝☆
紅葉が見頃かなぁと思っていましたが、まだまだ青かったです(^^ゞ
根本堂へ上がる階段。紅葉していたら綺麗ですよね♪
根本堂へ上がる階段。紅葉していたら綺麗ですよね♪
鰐淵寺には多くの遺跡があり、昔は多くのお坊さんの修行の場であり、たくさんの僧坊があったそうです。現在残っている根本堂と摩多羅神社へ行き、和多坊跡に行きました。
根本堂
根本堂
和多坊跡には、焼失した建物の礎石がしっかりと残っていました。その後、浴室跡にも案内して頂きました。
昔のお風呂は「鉄釜があり、その蒸気を浴びて汗をかき、体を拭く」というものだったとのことで、お風呂に入る順番も決まっていて、下々の坊さんはたまにしかお風呂に入れなかっただろうとのお話でした。
今、毎日当たり前に入れていることは有難いですね(^.^)


最後に住職さんのお話を少し聞かせていただきました。
外国の方も一人で観光に来られることが多いようで、「ここはとっても気持ちが良い。一人で来て本堂に立っているだけで幸せな嬉しい気持ちになる。」と言われるそうです。

昔から「ここに来て風に吹かれるだけですごく気持ちが良」と言われるところだそうで、今も変わらずにそういう気持ちにさせる(そう感じられる)ところ、というのが受け継がれているのだなと感じられたそうで、わたしもそのお話がとても印象深かったです。
【所在地】島根県出雲市別所町148

今市大念寺古墳

最後に、今市大念寺古墳へ。
弥生の森博物館でも写真で紹介してあったので、その時からここに行けるのを凄くワクワク楽しみにしていました♪
立派な大念寺さん
立派な大念寺さん
そこに到着してまず思ったのが、こんな街中のよく通る道路脇に、出雲で最大規模と言われる前方後円墳があるなんて! びっくり! でした。
島根県内には古墳がなんと4,700もあるそうですが、ここ今市大念寺古墳はトップクラスの大きさだそうです。

古墳は大念寺裏手の墓地のところにあるのですが、境内を拡張しようと工事をしたら見つかったそうです。昔のお墓の側にお寺があって、現在のお墓も一緒にあるってなんだか面白いですね♪(表現が相応しくないかもですが..)
この後円部にある横穴式石室も県内最大級だそうです! ここに実際に入れるのが、一番のワクワクポイントなんです!(-^〇^-)
ここが石室の入口です。
ここが石室の入口です。
入って行った一番奥に家形石棺(大棺)が置かれていて、これは全国的にも最大級だそうです!
人とくらべると大きいことがわかるよね♪
人とくらべると大きいことがわかるよね♪
写真におさまらないくらい大きい!!
写真におさまらないくらい大きい!!
間近で見ると本当に大きいことも分かるし、立派な石でしっかり、しかもキレイに作られています。「ここに墓の主が埋葬されていたんだなぁ」と想像すると、一気に古代にタイムスリップしたような気持ちになり、本当にワクワクする体験でした。

この墳丘は、黒色の(砂っぽい)土と茶色の(粘土質の)土を交互に何層も積み上げる高度な土木工事で作られ、墳丘が崩れないように固く叩き締めて築かれているそうです。
石室のすぐ上に粘土が分厚く盛られ、その表面には小さな礫が敷き詰められていて、石室内に雨水が入らないよう工夫されているそうです。
昔でもこんな高度な工事がなされているなんて凄いことですよね!
【所在地】島根県出雲市今市町1696
この日は本当に「ミステリーハンター」になったような、古代の空気に触れたような、ワクワクな体験が出来た1日でした♪
道中のバスの中でも、文化財課の職員の方が、通り道から見える遺跡や古墳の説明をしてくださいました。今住んでいる街の中に目を向けると、本当に至るところに遺跡や古墳が存在する、出雲の魅力が再発見できた1日でもありました(#^.^#)
協力:社☆ガール 立原愛(2015.10.24)