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Cute Movies

アタック・ナンバーハーフ

監督:ヨンユット・トンコントーン

今回はアタック・ナンバーハーフ

タイのハーフ(オカマ)ちゃんたちがバレーボールで国体優勝を目指す、青春映画です。

チーム名は“サトリーレック(タイ語で“鉄鋼の淑女”)。
屋台をやっていたジュン(笑顔はかわいいんだけど、毒舌)とバレーボールが大好きで真剣にやっていたのにオカマというだけで代表選手になれなかったモンが中心となってチームを結成。

軍隊にいるノン(水牛のように大きい!)、ゲイのショーで活躍するピア(どこから見ても美人なおねーさん)、ゲイである事を隠しているウィット、それに普通の男の子チャイでチームは構成されています。
そしてこのチームをまとめるビー監督はなんとオナベ。
ビー監督の連れてきた三つ子エイプリル、メイ、ジューンも加わり何とも華やかなチームで、国体優勝を目指すのです。

当然、彼女達(彼ら?)に対する白い目は多い。それをモノともせず実力で勝ち進んでいきます。
ノンの強烈なアタックや勝ったときのダンスとか試合シーンも楽しいです。

でも、個性的なこのチーム。当然トラブルも多く起こってしまいます。
試合中、いきなりノンが泣き初め、何が原因かと思えば伸ばしていた爪が折れたからとか、息子がゲイである事を知らなかったウィットの両親がテレビを見てそれを知り、連れ戻しに来たり、永遠に続くと思っていたピアと彼氏が別れちゃったり・・・。
モンとチャイはバレーボール好きという同じ思いを持っているのに、衝突してしまったり。

そんな感じでチームがバラバラになりかけたとき、それまで偏見を捨てられなかったチャイがチームメイト達をきちんと理解し、また、ビー監督がしっかりチームをまとめ、再び勝ち進んでいくのです。

決勝戦前日にビー監督のお父さんから電話がかかってきます。
それをとるジュン。
ジュンに伝言を頼んだビー監督のお父さんは言います。
「決勝戦、進出おめでとう。自分自身に勝つという事は何に打ち勝つ事よりも尊い事だ。」
決勝戦、サトリーレックは試合に勝つだけでなく、自分自身にも勝つことができたのです。


すごくあっけらかんとしているように見える彼女達も偏見に苦しんでいるという事実が存在します。
すごくかわいい髪飾りを見つけ、つけようとしたら店から追い出されてしまうノン。大きな体を小さく小さくして、すごく悲しそうな顔をしているノン。
この映画ではそういう偏見をユーモアを交えながら描いています。
そんな自分達について普通の女の子に彼氏を取られてしまったピアは、オカマにハッピーエンドはない、と言っています。

タイにおいてオカマやゲイの総称“カトゥーイ”は不道徳な存在としての意識がまだ、根強く残っていて、映画公開までの道のりは楽なものではなかったそうです。
しかし、公開されると大ヒット。サトリーレック族といわれる選手達のいでたちを真似た人たちも出てきたとか。

私は、タイの映画を見るのは初めてだったのですが何の違和感もなく見ることができました。
笑いと感動の中にもメッセージを含んだこの作品、是非1度見てみてください。
オープニングのアニメが結構かわいいです。




text by...  piroron

2002/11/11