地元暮らしをちょっぴり楽しくするようなオリジナル情報なら、松江の地域情報サイト「まいぷれ」!
文字サイズ文字を小さくする文字を大きくする

松江の地域情報サイト「まいぷれ」松江

Cute Movies

倦怠

監督:セトリック・カーン

哲学教授のマルタン(シャルル・ベリング)は、仕事に行き詰まりを感じていた。
ある夜知り合った老画家の死をキッカケに、
モデルをつとめていた若い娘セシリア(ソフィー・ギルマン)と出会った。
マルタンは自分の意志と裏腹に、老画家と同じように彼女にのめりこんでいく。
彼女を所有したい。
所有 =(イコール) 彼女を理解する事。
その時々の感情に正直に、口と体を開くセシリアと、
娘を理論で理解しようとするマルタンとの間に、精神的に一体となれることなどない。
マルタンは理解できずに苦しんでいく。
その苦しみが極限に達し、常軌を逸した行動に駆り立てられたマルタンは、
ストーカーのようにセシリアをつけまわし、別な男の存在を確認して悶絶する。
理解しようとしたところから、執着心にがんじがらめになってしまったマルタンは、
セシリアへの執着心を捨てようと試みる。
金を渡してセシリアを娼婦におとしめてみる。
安定した生活をエサに、結婚を持ちかけてみる。
だが思い通りにならず、ボーイフレンドと旅行に行ってしまったセシリア。
それを知ったマルタンは自暴自棄になり、
夜の闇の中自殺まがいの自動車事故を起こしたのだった。


・・・・と、あらすじでスペースを埋めるのはチョット難でした。
今回のこの映画、あらすじっていっても、
「溜まりまくってる理屈オヤジが、イモねぇちゃんにのめり込んで、自爆する話」
のヒトコトに尽きてしまうのでした。
あーここまで書けた私って立派。
きっとこの映画を観た女性のほとんどは、このヒトコトに共感してもらえるでしょう。
昨年、イメージフォーラム(青山)で公開された時、
“衝撃の作品!”といったニュアンスで紹介されていたと記憶していますが、
何が衝撃かといいますと、主演女優の肉体が“衝撃!!!”なんですよ。
とにかく、この新人女優の「自然体」は衝撃的であります。
必見です。
男性はこれをどう観るんでしょうね。
マルタンの場合は極端ですが、一般的に、興味を持った女性に対して、
理論的になる男の人ってあまりいないのでは?
だから、かなり深いつき合いになってから修羅場が展開されていくのでしょうけど(笑)。
題名の「倦怠」は、マルタンがセシリアに出会う前、仕事に行き詰まりを感じていた時の
精神状態のことを差しているようです。
行き詰まって出口が見えず、自分にとって何の意味も価値も見出せない、
と虚無状態になってしまう事を原作では「倦怠」と言っています。
桃井かおりに代表されるアンニュイという雰囲気のことではないので、
マルタンのエネルギッシュなストーカー行為を観ても、ピンと来ないかもしれません。
まぁ、個人的な感想としては、
「あまり重箱の隅をつつくような細かい男には関わらないほうが無難」
ってことですね(笑)。

text by...  ris

2001/09/15