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Cute Movies

僕の国、パパの国

監督:ダミアン・オドネル

実情はどうだか本当のところは分からないが、
最近、弱くなったと言われる日本の父親像。
弱いお父さんもなんだかさびしいが、頑固親父をもつ家族もなかなか大変だ。

パキンスタン人のパパ。
イギリス人のママ。
そして、6男1女の子供たち。
70年代イギリスを舞台に頑固親父を持つ一家のドタバタが描かれた。

パキスタンから移民してきたパパは、誇り高きパキスタン人でイスラム教徒。
子供たちにも自分と同じように、パキスタン人として、
そして敬虔なイスラム教徒として、誇りを持って生きて欲しい
──そう願っている。
しかしイギリスで生まれイギリスで育った子供たちは、
そうそうパパの言いなりではいられない。
好きな服を着て、好きなもの食べて、恋だって結婚だって自由にしたい。
子供たちが親の目を盗んで豚肉を食らえば、
父親は子供に内緒でパキスタン人との見合い話を進める。
頑固親父とやんちゃな子供たちの攻防が繰り広げられる。

以前読んだ本に次のような一文があった。
「許してくれる人。何があってもいつかは許してくれる人。それが母親だ。」
細かいことはすっかり忘れてしまったが、確かこんな感でじあったように思う。

理想を追い暴走する頑固親父と、それに納得できない子供たち、間に挟まれた母親。
もう2度と顔も見たくないと思うほど、泣いて騒いでぶつかりあって、
それでも、家族であることへと戻っていく彼ら。

何があっても、いつかは許し許されたい。そう思うのが家族なのかもしれない。


大騒ぎの一家にたくさん笑って、ちょびっと家族ということについて考えた。
可笑しくて、楽しくて、時に腹ただしく、悲しい。愛すべき作品である。

text by...  RS

2001/02/28