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山陰スピリチュアル紀行

秋の奥出雲!~古社めぐり~

仰支斯里(かみきり)神社~伊賀武(いがたけ)神社・八重垣神社~三澤(みさわ)神社~絲原(いとはら)記念館・庭園~鬼神神社~湯野神社~ 元八重垣神社跡・鏡ヶ池

 奥出雲のちょっとディープな神社めぐりは、秋晴れのさわやかな気候での開催となりました。参加者は10名でした。松江から&米子から&安来から、集合場所の伊賀武(いがたけ)神社に到着です♪
 本来ならまず参拝・・・というところですが、あとのお楽しみにとっておき、まず仰支斯里(かみきり)神社へGO!GO!

仰支斯里神社

 出雲国風土記にも記されている仰支斯里神社の主祭神は天之狭霧(アメノサギリ)神と建速須佐之男(タケハヤスサノオ)神の2柱です。それにしても、風土記中で最も難読・難解ともいわれるこの神社名。ご由緒について石原道夫宮司にお伺いしました。
 「仰支斯里」の字については諸説あるとのことですが、現在最も有力な説が、もともと「髪切」の文字が分離したり標記を変えたりすることによって「仰支斯里」の標記にいたったのではないか、とのことです。また、スサノオ神が、自らの髪三筋とクシイナタヒメの御髪や退治した大蛇の髪を納めた神社といわれている、とのことです。その話にちなんでか、こちらは「髪切大明神」としても親しまれています。興味深かったのは、風土記の仁多郡に記されている神社10社の中で、須佐之男命を表だって祀った神社はほとんどないとのこと。これは奥出雲に暮らす方々の奥ゆかしさからくるのではないか・・・とのことでした。
所在地:島根県仁多郡奥出雲町八代344

伊賀武神社・八重垣神社

正面が伊賀武神社・向かって左が八重垣神社
正面が伊賀武神社・向かって左が八重垣神社
 続いて向かったのは、伊賀武神社。石原道夫宮司もご一緒にお越しいただき、引き続きお話を伺いました。主祭神は五十猛(イソタケル)神と武御名方(タケミナカタ)神の2柱をはじめ、合祀された神々9柱です。五十猛神はスサノオ神の御子神、武御名方神は大国主命の御子神です。 
そして、境内の八重垣神社。八重垣神社といえば松江の神社を思い浮かべる方が多いでしょうが、古くからこの地に鎮座しています。御祭神は櫛名田比売(クシイナタヒメ)、速須佐之男(スサノオ)神、足摩椎(アシナヅチ)、手摩椎(テナヅチ)。いずれもヤマタノオロチ退治の神話ゆかりの神々が祀られています。もともとは今の佐白ではなく、少し北の「八頭(やと)地区」に祀られていましたが、明治40年に伊賀武神社境内に移築され、境内末社として鎮座されています。本殿の美しい造りは、昭和8年に地元新聞社より近隣ナンバーワンと認定されたそうです。
 八重垣神社の拝殿のお扉が開かれ、御神像を拝見しました。主祭神のスサノオ神とクシイナタヒメのお像です。恐る恐る「撮影してもいいですか?」と伺ったところ、こちらのお像は既にお役目を終えられたので、いいですよ、とのこと。ありがたくもパチリ☆ 八頭地区には、その名のとおり、ヤマタノオロチ伝説ゆかりの地がたくさんあるとのこと。興味津々ではありますが、それはまたのちほど、ということで、いざ次のお社へ。
所在地:島根県仁多郡奥出雲町佐白116

三澤(みさわ)神社

 伊賀武神社から車で10分ほど走り三沢地区へ。この地を守るお社、三澤神社に到着です。三澤神社は、出雲国風土記にも、また延喜式神名帳にも記載されている、いにしえから続くお社です。主祭神は阿遅須枳高日子根命(アヂスキタカヒコネノミコト)、大国主命の御子神で、出雲国風土記には地名の由来として、2柱の神様が登場されます。
 拝殿に上がり、陶山浩正宮司よりお話を伺いました。出雲大社と三澤神社、そして三沢の地には深いつながりがあるそうで、出雲国造家の代替わりの際に天皇家へ「神賀詞(かむよごと)」という祝詞を奉納されるのですが、その際に訪れて身を清める池が「三沢の池」。まさにここ三沢の池です。三沢の池には3つの説があり、どれも「なるほど・・・」と感じます。次回はぜひ訪れてみたいスポットです。
所在地:島根県仁多郡奥出雲町三沢402

絲原(いとはら)記念館・庭園

 いよいよお昼!今回は絲原記念館のお休み処「砂鉄(こがね)」で地元食材いっぱいの蕎麦定食をいただきました。少しずつ冬が近づくこの季節、あったかいお味噌汁が嬉しい♪
 さて、奥出雲といえばたたら製鉄が有名ですが、絲原記念館を営む「絲原家」といえば、鉄づくりの鉄師として有名です。敷地内には数々の見どころがあり、いずれも魅力的ですが、今回は居宅&庭園&散策路を絲原家第16代の絲原丈嗣さんにご案内いただきました。秋晴れに紅葉が映え、とっても美しかったです☆
所在地:島根県仁多郡奥出雲町大谷856

鬼神神社

 次に向かったのは、鬼神神社です。 まず注目は鳥居横の巨石!これは「岩船大明神」といいます。鬼神神社の主祭神である素戔嗚尊(スサノオノミコト)と五十猛尊(イソタケルノミコト)が新羅の国から埴船(はにふね:土でつくった船)に乗ってこの地に降りたったのがこの地といわれており、その時の埴船が石化したもの、とのこと。地上に出ているのは写真のとおり2メートルほどですが、地下は数メートルに及び、誰一人として動かすことはできないといわれています。
 お参りをしてからあたりを見回すと、境内に気になる立て札が・・・「船燈山(御陵さん)」と書いてあります。鬼神神社の裏山には、五十猛尊の御陵墓とされる墳墓があるとのこと。それでは、と、早速プチ山登り。社☆ガールは体力勝負です!(しみじみ)息を切らしながらたどり着いた先には石碑がありました。こちらでも一同お参り。
所在地:島根県仁多郡奥出雲町大呂139

湯野神社

 本日最後の神社は亀嵩の湯野神社。亀嵩は松本清張の小説「砂の器」の舞台になり一躍脚光を浴びましたが、湯野神社は映画やドラマのロケ地で登場したのでご存知の方も多いのではないでしょうか。樹齢400年を超える大ケヤキを始め、多くの大木に覆われた鎮守の森の参道も素敵です。
 ここでは、亀嵩史探会のアドバイザー、横路一雄さんにお話いただきました。境内では石原肇宮司にもお会いできました。
 湯野神社の主祭神は大己貴命、少彦名命、爾爾芸命(ににぎのみこと)、事代主命、三保津比賣命、の5柱。出雲国風土記に記された古社です。元宮は「宮地」という場所にあり、その地で沸いていた湯には様々な特効があり、「医薬の守護神」として篤く信仰されていたそうです。そのほかにも、湯野神社では雲伯出世相撲が盛大に開催された相撲のメッカだったこと、近隣にそびえ立つ玉峰山の名のとおり亀嵩は良質な玉の産地だったこと、などなど、湯野神社や亀嵩の魅力をたくさん教えていただきました。
所在地:島根県仁多郡奥出雲町亀嵩1284

(おまけ)元八重垣神社跡・鏡ヶ池

 帰り道、最後に訪れたのは、「元八重垣神社跡」と「鏡ヶ池」。午前中に訪れた「八重垣神社」の元宮が鎮座していた「八頭(やと)」の地です。
元八重垣神社跡には石碑が建てられ、社殿跡はどこか神聖な雰囲気を感じます。近くの鏡ヶ池の水は、昔からどんなこともがあっても枯れないという、これまた神秘の池です。まだまだ奥が深い奥出雲、今後も訪れたい地です。 
所在地:島根県仁多郡奥出雲町佐白
協力:福井 晴子(2017.11.12)