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アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発

人はどこまで残酷になれるのか。

2017年2月25日、新宿シネマカリテほか全国順次公開<br>(C)2014 Experimenter Productions, LLC. All rights reserved.
2017年2月25日、新宿シネマカリテほか全国順次公開
(C)2014 Experimenter Productions, LLC. All rights reserved.
アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発

出演:ピーター・サースガード 「ブラック・スキャンダル」「マグニフィセント・セブン」
    ウィノナ・ライダー 「ブラック・スワン」
    アントン・イェルチン 「君が生きた証」
    ジョン・レグイザモ 「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」  ほか

監督・脚本:マイケル・アルメレイダ 「アナーキー」「ハムレット」「メビウス」
製作:ジェフ・ライス 
撮影:ライアン・サマル 
編集:キャスリン・J・シューベルト 
音楽:ブライアン・センティ

ストーリー

1961年8月、イェール大学で、ミルグラム博士の実験が開始された。
実験者とともに、二人の被験者が実験室に入ってくる。
一人は先生、一人は学習者となり、先生役の人物は問題を出題、別室にいる学習者役はそれに答える。
答えを間違えると学習者には電気ショックが与えられ、間違えるごとに電圧は上げられる。
くじ引きで、先生と学習者の役割は分けられたが、被験者の一人は実験の協力者で、常に学習者になるように操作されていた。マジックミラー越しに静かに実験の様子を見つめる、この実験を計画したスタンレー・ミルグラム(ピーター・サースガード)。
この実験は、ナチスによるホロコースト(大量虐殺)がどのように起こったのか?
普通の人々が権威にどこまで服従するのか?を科学的に実証することが目的だった。
実験が進んでいくと、学習者の答えは不正解が続き、電気ショックの強さも上がっていく。
学習者はしだいに呻き声をあげるも、被験者の電気ショックの手は止まらない…

記者の見どころ

未だに世界中で議論が巻き起こる、アイヒマン実験。本作『アイヒマンの後継者ミルグラム博士の恐ろしい告発』は、人間がどこまで権威に服従するのかを検証したアイヒマン実験の、ドキュメンタリーでも伝記映画でもない、ただそのように錯覚してしまうほど作り込まれたサスペンス劇だ。

実験の手法が倫理的に間違っているのではと批判を浴びた、アイヒマン実験。しかもその結論によると、全ての普通の人間に権力に屈する可能性があるという。未だに是非が結論づけられていないこの実験の裏側を、実験を主導したミルグラム博士の半生を追うことで再現した。実験が倫理的に正しいと主張する博士とそれに反対する世間の声が対照的で、だからこそこの実験の結果がいかに問題であったかがわかる。

ミルグラム博士は決してアイヒマン実験だけの学者だけではなく、“スモールワールド現象”という、平均6人を隔てれば誰とでも繋がるという現象や、多くの人物が街中で空を見上げていると、通行人も同調して空を見上げてしまうという“同調行動”などを提唱した、ハーバード大学で学位を取得した社会心理学者だ。

本編でいくつか心理学の用語などが出てくる。小説「1984年」は、人々が思考をしない全体主義の世界を描いた小説。またソロモン・アッシュは、線を用いた同調実験で有名な心理学者だ。

果たして人は、どこまで残酷になれるのか。なぜ人は、権威に服従してしまうのか。企業の不祥事に対して「上司の指示でやりました」という言い訳がニュースで飛び交う日本でも、ある意味タイムリーな作品なのかもしれない。

Text by EISUKE