地元暮らしをちょっぴり楽しくするようなオリジナル情報なら、松江の地域情報サイト「まいぷれ」!
文字サイズ文字を小さくする文字を大きくする

松江の地域情報サイト「まいぷれ」松江

Cute Movies

舞妓はレディ

あでやかな夢の世界へおこしやす

2014年9月13日 全国東宝系にてロードショー<br><br>(C)2014 フジテレビジョン 東宝 関西テレビ放送 電通<br>京都新聞 KBS京都 アルタミラピクチャーズ
2014年9月13日 全国東宝系にてロードショー

(C)2014 フジテレビジョン 東宝 関西テレビ放送 電通
京都新聞 KBS京都 アルタミラピクチャーズ
舞妓はレディ
http://www.maiko-lady.jp/


監督・脚本: 周防正行
出演: 上白石萌音、長谷川博己、富司純子 田畑智子 草刈民代 渡辺えり 竹中直人、高嶋政宏(高は、はしごだか) 濱田岳 中村久美 岩本多代 高橋長英 草村礼子 岸部一徳、小日向文世 妻夫木聡 松井珠理奈(SKE48) 武藤十夢(AKB48)他
800人のオーディションの中から勝ち上がった、上白石萌音の存在は、まさに"ピュア"と呼ぶにふさわしい。彼女のまっさらな魅力、力強い歌声が、物語を大きく動かした。さらに、そんな彼女を支え、舞妓として美しく成長させていく言語学者・京野役には長谷川博己。スクリーンでは初となる歌と踊りを披露。また、おなじく春子を見守るお茶屋の女将には、20年前から監督のイメージキャストだったという富司純子。その他にも田畑智子、妻夫木聡など周防作品初参加のフレッシュな面々と、草刈民代、渡辺えり、竹中直人など、おなじみ周防組のキャストも勢ぞろい。華やかな花街で豪華キャスト陣が歌い踊る、目にも耳にも楽しい「舞妓エンターテインメント」!
【ストーリー】

京都にある「下八軒(しもはちけん)」は、小さいけれども歴史がある花街(かがい)。だが、舞妓が百春(田畑智子)ひとりしかいないのが悩みのタネ。しかもその百春も、舞妓になってもう10年が経とうとしていた。そんなある日、老舗のお茶屋・万寿楽(ばんすらく)に「舞妓になりたい」という少女・春子(上白石萌音)がやってきた。しかし、コテコテの鹿児島弁と津軽弁を話す、どこの馬の骨ともわからない春子を引き取るわけにはいかず、万寿楽の女将・千春(富司純子)は彼女を追い返そうとする。だが、たまたまその場に居合わせた、言語学者の「センセ」こと京野(長谷川博己)が春子に興味を抱き、京都弁を教えることになったことから、春子は晴れて万寿楽の仕込み(見習い)になることに。しかし、春子を待ち受けていたのは、厳しい花街のしきたりと、唄や舞踊の稽古の日々。そして何より春子が苦戦したのは、訛りの矯正だった。懸命に稽古や言葉の矯正に励むが、師匠や先輩芸妓の里春(草刈民代)から叱られ続け、とうとう声が出なくなってしまう。はたして春子は一人前の舞妓になることができるのか? そして、春子が舞妓になりたい本当の理由とは……?
とにかく豪華キャスト!
超有名俳優がほんの一瞬だけ顔を出すぜいたくな演出で、妻夫木聡、加瀬亮、瀬戸浅香などたくさん出てくるが、ぼーっと見ていたら見過ごしてしまいそう・・・。「ウォーリーを探せ」ではないけれど、彼らをスクリーンの中で探してみるのも面白いかも。

作品そのものがかの有名な「マイ・フェア・レディ」をもじっているだけに、あちこちになじみのある演出が…。歌しかり、踊りしかり・・・。「えっ、この人が歌って踊るの?」とびっくりするような場面も数々。その意外性が楽しい。

もう一つの見どころは、草刈民代。しっとりした色香漂う大人の先輩芸妓を熱演している。それにしても周防監督はどれだけ奥様が好きなんだ?と思わされるシーンの数々。誰よりも華やかで、きれいで、見せ場がたっぷり。そういう意味で、上白石萌音ちゃんとの対比がよく出ていて面白かった。「Shall We ダンス?」の共演者の竹中直人と渡辺えりも色を添えている。特に竹中直人の男衆(おとこし)(舞妓や芸妓の着付けや身の回りの世話をする)が笑える。最後のフィナーレをお楽しみに!

しかし、なんといっても最大の見どころは主役のヒロインの少女・春子(舞妓名:小春)を演じた上白石萌音ちゃんだろう。800名を超えるオーディションの中から選ばれた16歳の初々しいながらもしっかりとした歌と踊り、演技は実に魅力的。赤いほっぺで津軽弁と鹿児島弁のバイリンガルだった彼女が、難しい京言葉を覚え、芸事を習得していくプロセスが、新人女優として映画デビューを飾った彼女の成長と重なって見える。どんなにつらくても、ストレスで声が出なくなっても、歯を食いしばる彼女の姿に思わず「がんばれ!」と声をかけたくなった。なぜそこまでして舞妓さんになりたかったのか?その秘密も最後に明かされる。とにかく周防監督らしい明るく、楽しいミュージカル・エンターテインメントである。

text by YUMI